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黄帝内経太素2-4 調食

  • yokando2
  • 2022年1月29日
  • 読了時間: 3分

胃は五臓六腑の海。水穀はみな胃に入り、五臓六腑はみな胃よりこれを稟(う)ける。酸・苦・甘・辛・鹹の五味はそれぞれ好むところに行く。穀が胃に入ると、その精微である営気と衛気は胃の両焦から出ていく。糟粕となったものは屎尿として下り、行(めぐ)ることなく胸中に積もったものは気海をなし、呼吸によって出入りする。


五穀・五菓・五畜・五菜などをもちいて飢餓を充たすことを食、病を治すのを薬という。辛は散(ち)らし、酸は収(ひきし)め、甘は暖め、苦は堅め、鹹は濡(うるお)す。毒薬で邪を攻め、五穀で養い、五菓で助け、五畜で益し、五菜で埤(ふ)やす。気味を併せて服用して養精・益気する。


  • 五穀のうちで、麻は酸、麦は苦、粳米は甘、黄黍(きび)は辛、大豆は鹹。

  • 五菓のうちで、李(すもも)は酸、杏は苦、棗(なつめ)は甘、桃は辛、栗は鹹。

  • 五畜のうちで、犬は酸、羊は苦、牛は甘、鷄は辛、猪は鹹。

  • 五菜のうちで、韮(にら)は酸、薤(らっきょう)は苦、葵は甘、葱(ねぎ)は辛、藿(小豆の葉)は鹹。


五味は、おのおの好むところに走(ゆ)く。したがって、穀味が酸だと先ず肝に走き、苦だと先ず心に走き、甘だと先ず脾に走き、辛だと先ず肺に走き、鹹だと先ず腎に走く。これを五走という。


ただし、別説あり。


  • 酸は筋に走き、多食すると人に淋(小便不通)を起こす。 ㊟酸は最終的には陰部の筋に走く。

  • 苦は骨に走き、多食すると人に変嘔(嘔吐)を起こす。 ㊟苦は血でなく骨の終わりの歯に走く。

  • 甘は肉に走き、多食すると人に心悗(腹下し)を起こす。 ㊟甘で腹の虫が動くと外の肉に走く。

  • 辛は気に走き、多食すると人に洞心(大汗・下痢)を起こす。 ㊟辛は衛気とともに出て走く。

  • 鹹は血に走き、多食すると人に渇(咽の渇き)を起こす。 ㊟鹹は骨でなく液体の血に走く。


五色では、青は酸によく、赤は苦によく、黄は甘によく、白は辛によく、黒は鹹によい。したがって、


  • 肝病には酸味の麻・犬肉・李・韮を食するのがよい。

  • 心病には苦味の麦・羊肉・杏・薤を食するのがよい。

  • 脾病には甘味の粳米・牛肉・棗・葵を食するのがよい。

  • 肺病には辛味の黄黍・鶏肉・桃・葱を食するのがよい。

  • 腎病には鹹味の大豆・猪肉・栗・藿を食するのがよい。


ただし、別説あり。


  • 肝の色は青であるから甘を食するのがよい(剋されるものを用いる)。

  • 心の色は赤であるから酸を食するのがよい(その母を用いる)。

  • 脾の色は黄であるから鹹を食するのがよい(剋されるものを用いる)

  • 肺の色は白であるから苦を食するのがよい(剋するものを用いる)

  • 腎の色は黒であるから辛を食するのがよい(その母を用いる)


五臓が好みとする味を多食すると病を発症するので、裁(おさ)えるべき五裁がある。したがって、病が

  • 筋にあるときは酸を食してはいけない

  • 血にあるときは苦を食してはいけない

  • 肉にあるときは甘を食してはいけない

  • 気にあるときは辛を食してはいけない

  • 骨にあるときは鹹を食してはいけない


また、五味が剋する蔵に病があれば、その剋する味を禁(つつし)まなければならない。これを五禁という。


  • 肝病では辛を禁む

  • 心病では鹹を禁む

  • 脾病では酸を禁む

  • 肺病では苦を禁む

  • 腎病では甘を禁む。

 
 
 

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