思い出の歌4


若いころの宮崎美子さん
文部省唱歌「花火」(1941年)
どんとなった 花火だ きれいだな
空いっぱいに ひろがった
しだれやなぎが きれいだな
私がK大学の修士課程にいたころ、学部には宮崎美子さんがいた。彼女は、週刊朝日の表紙を飾り、ミノルタで水着姿を披露し、一躍時の人となっていた。とある日の昼食どき、我々ゼミの仲間は、校門に美子ちゃんが一人でたたずんでいるのを発見し、近寄って、「美子ちゃんですよね」と声をかけ、みんなで握手して、学食を食べに行った。おそらく、このことがきっかけで、彼女は芸能界入りを決断したんだと思う。
ところで、そのころ、私のゼミの仲間の友達の彼女に「ぷーさん」という可愛くて元気のいい子がいた。美子ちゃんと甲乙つけがたい魅力に富んだ女の子だった。プーさんはいわゆる左翼(私の学生時代は多くの友達が左翼だった)で、過激派でもあった。過激派と言っても、口だけで、火炎瓶は投げないし、爆弾なんて作らない。
そのプーさんが、懇親会などで、座が徐々にもりあがってくると、やおら立ち上がって「どんとなった花火」と歌い出し、踊る。歌い終わると、今度は、彼女の隣にいた者が立ち上がって「どんとなった花火が」と歌って踊り出す。そして、次の者へと、永遠に続いていくのである。
世間では、お盆の休暇もきょうで終わり。昔の思い出と戯れた夏は終わり、明日からは現実が始まる。私の青春の遠い思い出も、懐かしい歌とともにはかなく消えていく・・・ああ、これも青春!
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