top of page

ラマチャンドラン

  • yokando2
  • 2023年10月3日
  • 読了時間: 1分

ラマチャンドランは、1951年、インドのチェンナイ(旧マドラス)に生まれた神経科学者である。彼は、自著『脳のなかの幽霊』の中で、様々な神経症状を呈する患者を描出している。幻肢痛、幻聴、錯視、てんかん、疾病失認、半側空間無視、多重人格、想像妊娠、笑い死、神霊体験など。ラマチャンドランは、これらの症状を脳神経のメカニズムによって鋭く分析してみせた。そして、奇妙な臨床症状に出会ったときの研究者のいましめとして、自己の苦い体験から以下の3つ挙げている。


・ 無視し、科学的実験を放棄するようなことがあってはならない

・ 心と体を分けて考えてはいけない

・ 教授、とくにオックスフォードから来た教授の言うことを聞いてはならない


ラマチャンドランはこの著書の最終章で、ヒトのもつ自己の本質である意識について考察している。意識の問題はこれまで哲学者を悩ましてきた難問であるが、この問題に科学のメスを入れたのである。ラマチャンドランは言う。「意識は、脾臓や肝臓や膵臓などの他の臓器にはなく、脳という臓器にあり、しかもそのなかの側頭葉の扁桃体、中隔、視床下部、島などと前頭葉の帯状回を結ぶ神経回路から生じている」と。

Comments


©2019 by お灸とハリの洋漢堂。Wix.com で作成されました。

bottom of page