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ボルツマン

  • yokando2
  • 2023年12月10日
  • 読了時間: 1分

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ウィーンの中央墓地にはオーストリアが生んだ偉大な物理学者、ボルツマンの胸像があり、その上に一つの単純で美しい公式が書かれている。


S=klogW


Sはエントロピーで、kはボルツマン定数、Wは物質の状態の数を表している。


ボルツマン(1844-1906年)はその生涯を原子論の構築に捧げた物理学者で、晩年、その原子論をめぐる論争の渦中、自ら命を絶っている。上記の美しい公式は、微視的な原子の運動と巨視的な状態である熱を結びつけた画期的な作品で、その後の統計力学や量子力学の発展の基礎となったものである。


ボルツマン定数は


k=1.38x10-23[J/K]


で与えられ、微視的な運動のエネルギー[J]と巨視的な温度[K]を、その定数の中に内蔵している。


このkは、理想気体の状態方程式にも登場する。気体の体積(V)は温度(T)に比例し、圧力(p)に反比例するという、ボイル・シャルルの法則を定式化したものである。


pV=kNT


ここで、Nは気体分子の数。ニュートンの発見した“F=mα”、アインシュタインの発見した“E=mC2”同様、美しい数式である。宇宙の真理は単純で美しいという証拠だ。

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