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ジュール・ルナール

  • yokando2
  • 2023年10月21日
  • 読了時間: 1分

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・・・

4月6日

昨夜。起き上がろうとした。

身体が重い。

片方の脚がベッドから出ている。

それから、その脚をつたって、わずかに液体が流れる。

それが踵に流れ着いてから、ようやく決心が付く。

シーツの中で乾いてしまうだろう。

ちょうど『にんじん』だった頃のように。

・・・


この日付をもって、ジュール・ルナール(1864~1910年)の日記は終わる。動脈硬化症で亡くなるひと月半前のこと。ルナールは小説『にんじん』で有名なフランスの小説家。田舎に暮らし、自然と親しみ、簡素なことばで日常をつづった。

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