top of page

シュレーディンガー

  • yokando2
  • 2023年10月5日
  • 読了時間: 1分

ree

東洋医学の基本思想のひとつに「天人合一思想」というのがある。ヒンドゥー教にもアートマン(自己)とブラフマン(宇宙)は同一という認識がある。これと同じ考えを、私の大好きな物理学者のシュレーディンガーも持っていた。


彼は、「生命とは何か」という著書の中で、生命現象を物理学で解明しようと模索し、結局、ミクロとマクロの中間にある生命現象は、彼の得意な量子力学でも統計力学でも説明することができず、新しい枠組みの物理学が必要だとし、ここまでは科学者らしく考察したのだが、いざ、「この私」とはなんぞや、と考えた瞬間に、ひとりの哲学者になった。


自我(=意識=心=霊魂)は、肉体の数だけあるのではなく、それは単一の存在、すなわち普遍的存在(=神=天)であり、ちょうどユングのいう「集団的無意識」に似た存在だとしたのだ。それであれば、


いったい「この私」とは何なのだ?


それは、共通のキャンバスに描かれた単独の経験と記憶である、としている。ユングのいう「個人的無意識」に匹敵するものではないだろうか。


E・シュレーディンガー(1887-1961年)は1887年オーストリアのウィーンに生まれ、1933年波動力学の研究でノーベル物理学賞を受賞し、奇しくもユングと同じ1961年に73歳で生涯を閉じた。

コメント


©2019 by お灸とハリの洋漢堂。Wix.com で作成されました。

bottom of page