グスタフ・マーラー
- yokando2
- 2023年11月28日
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グスタフ・マーラー(1860-1911年)は長い交響曲を書いた作曲家として有名である。彼の代表作である「復活」と題されている第二交響曲も約80分の演奏時間だ。しかし、マーラー自身はその退屈な長さには無頓着に、自分の感性、自分の哲学を実現することに天命を感じていたという。
第二交響曲の第一楽章は葬式の場面で、暗く重々しく始まる。マーラーはここで「人はなぜ生まれてきたのか、人は何のために死ぬのか」と問題提起している。これは、14人兄弟の次男として生まれるも、7人の兄弟を次々に亡くし、死と身近に育ったため、死について深刻に考えていたといわれるマーラーの、哲学的問いである。
第二楽章で生前の楽しい思い出に浸り、第三楽章で人生の転機を経験し悩み、第4楽章で思索に入り、そして、迎えた最終の第五楽章で、第一楽章の問いへの解答を、満を持して、決然と歌うのである。すなわち、
「人は甦るために死ぬのだ」
と。
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