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立松和平

  • yokando2
  • 2023年9月11日
  • 読了時間: 1分

もう、そのストーリーは大方忘れたのだが、いなかの映画館で、永島敏行主演で私の故郷の出身である石田えりが共演した「遠雷」を観たことがある。物語の舞台は、確か、大きな団地の近くのトマトのビニールハウスだったと思う。映画で映し出されるトマトはちょっと色あせた赤色で、自分の故郷で幼い頃食べた真っ赤に熟した甘いトマトとずいぶん違うなあ、と感じたものだ。この「遠雷」の原作が、2010年2月8日、解離性動脈瘤による多臓器不全で亡くなった立松和平である。


立松和平(1947-2010年)は、2007年に9年の歳月をかけて小説「道元禅師」を完成させている。この小説は、どこへ行くにも「正法眼蔵」を携帯し、道元禅師にお会いして直接お話を伺うような心踊る気持ちで、毎月20枚ずつ書き続け、そして完成させたそうだ。小説では、立松の分身である右門という道元の付き人が、生前の立松のように朴訥とした語り口で道元の生涯を語っている。

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