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田山文隆

  • yokando2
  • 2023年11月1日
  • 読了時間: 1分

久留米の鍼灸師、田山文隆氏は医学博士でもあるが、診断では触診を重視された。触覚情報は、ヘレン・ケラーの例をもちだすまでもなく、その信号は脳の触覚野だけでなく、視覚野や聴覚野まで行き、それら全部が同時に機能していることが証明されているからである。


田山氏はまず背中とお腹をみて、手や足に軽く触れる。急性疾患はまず太陽経(膀胱と小腸)に変化が現れ、病が進行して陽病から陰病へ移る直前には陽明経(胃と大腸)でせめぎあいが起こり、ここで止めようとして闘う、だから、そのあたりのところを手で触れて診断される。健康なひとが病気にならないためには陽明経の三里にお灸や鍼をするのが一番、ということにもなる。


「鍼治療はアートである」


とも、田山氏は言う。芸術には、彫刻、建築物、絵画などのように後世まで残るものと、舞台劇やオペラのようにその場限りのものがあり、残念ながら鍼のアートは後者であり、現在では昔の名医である華佗(かだ)や扁鵲(へんじゃく)の素晴らしい技法の詳細は分からない、それだからこそ、単に特効穴だけを学ぶのではなく、古典の理論を深く学び臨床をとおしてその検証を行うことが重要なのである。

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