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渡辺一夫

  • yokando2
  • 2023年10月22日
  • 読了時間: 1分

北御門二郎を在野の翻訳者とすれば、渡辺一夫(1901年~1975年)は、象牙の塔の翻訳者で、戦中戦後を通じ、定年まで東大仏文科の教授を勤め、その間、翻訳不能とまで考えられていたラブレーやエラスムスの翻訳を敢行した。「エセー」の著者モンテーニュをユマニストとしてとらえ、寛容を説き、渡辺一夫自身もユマニストであった。


渡辺一夫は教育者としても一流で、弟子の加藤周一や大江健三郎は、多忙な著作活動の中、「九条の会」の呼びかけ人となり、平和運動を推し進めた。ユマニスト渡辺一夫の寛容の遺伝子は、みごとに弟子たちに引き継がれていったのである。

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