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中江兆民

  • yokando2
  • 2023年9月17日
  • 読了時間: 1分

中江兆民は54歳のとき、医師から喉頭癌で余命1年半と宣告され、それを契機に「為すべきことと楽しむべきこと」を行うために執筆を開始し、2ヶ月で「1年有半」を脱稿、さらに1ヶ月で「続1年有半」を脱稿し、医師の余命宣告期間よりも短い半年後に死去した。


彼の為すべきことは、無神論者である彼の哲学を集大成することであった。しかし、異郷の地で1冊の参考書もなく余命僅かな期間に仕上げるという困難な状況の中で、この奇書を書き上げたのだ。


精神は肉体とともに滅びること、肉体(を構成する元素)は不滅であること、神は存在しないこと、世界は無限で始まりなく終わりないこと、を明快に述べている。


例えば、最初に世界が無始無終であることを説いて、次に、そうであれば世界を創造する必要はないから創造主たる神は不要、と明快である。また、精神は、炭から登る炎、薪より生ずる火と同じように肉体が発する作用であり、歩き、触れ、感じ、思考し、想像し、記憶する原動力とはなるが、炭の炎や薪の火と同様、本体である肉体の死とともに消え去る、と、これまた明快である。

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