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白居易

  • yokando2
  • 2023年9月8日
  • 読了時間: 1分

唐の白居易(772-846年)、字は楽天。二十九歳で進士に合格、官僚として過ごし、多くの詩を残した。代表作は玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋を歌った『長恨歌』。中国のみならず、日本にも早くから知られ、平安時代にはその詩集『白氏文集』が熱狂的に受け入られた。 


白居易は禅を好んだ詩人でもある。あるとき、道林禅師に「仏教の真髄とは何か」と問うた。その答えが次だ。


諸悪莫作(しょあくまくさ)

衆善奉行(しゅうぜんぶぎょう)


これを聞いて白居易は、「もろもろの悪を為すことなく、もろもろの善を行うこと、3歳の子供でも知っているよ」と言います。すると、禅師から、「3歳の子供でも知っているかもしれないが、80歳の老翁でも行うことはできない」とたしなめられる。


「諸悪莫作/衆善奉行」とは無上のさとりの境地である。「諸悪莫作」は「諸悪は作(な)ることが莫(な)い」と読まれなければならない。真理というものは善悪を超えたところにあり、悪は本来あることがなく、善はなすことなくなされる行為である。このように、「諸悪莫作」が因で「衆善奉行」が果となり、真理である因がなければ、真理である果が生じないということなのである。

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