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ヘッブ


D.O.ヘッブ(1904-1985年)はカナダの心理学者。


ヘッブは、『行動の機構』という本で、神経生理学と心理学の橋渡しをしようとし、知覚、思考過程、注意などの心理学的問題を、ニューロンの機能でもって説明しようとした。そして、


「特定の刺激がたびたび反復されると、大脳皮質内に細胞集成体が次第に形成されて、閉じた系としてしばらく活動するようになる(これが知覚)。この細胞集成体がほかの感覚系や運動系を活性化し、フィードバックされてさらにこの細胞集成体が活性化するといった具合に、次々と連鎖していくことが位相連鎖である(これこそが思考過程)。また、こうした細胞集成体の活動が次々に周りの細胞集成体の活動を引き起こし、脳の中枢が活性化した状態になる(これが注意の原型)。」


という考えに達したのである。


この本は1949年に出版されたが、まさに心理学の革命であった。細胞集成体や位相連鎖という概念で、痛みや飢え、性欲、睡眠と覚醒、記憶と忘却、恐れと怒り、快不快、喘息、痙攣、精神疾患、さらに知能の成長と衰退などを実に明快に説明している。

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