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ガダリ

  • yokando2
  • 2023年7月31日
  • 読了時間: 1分

地球という惑星では、激烈な科学技術による変容によって、昨今、恐るべきエコロジー的アンバランスの現象が生じており、この激変と並行して、人間の生活様式も悪化の一途をたどっている。親族のつながりは最小限に切り縮められ、家庭内生活はマスメディアの消費にむしばまれ、夫婦生活は形骸化し、隣近所との付合いも貧しいものとなっている。これらの問題を解決するには、エコゾフィー的な発想の回復が必要である、とフランスの哲学者・フェリックス・ガダリ(1930-1992年)は述べている。


ちなみに、エコゾフィーとは、エコロジーとフィロソフィーを組み合わせた造語で、環境、社会、精神の3つのエコロジーを美的に統合した概念である。ここでいう美的とは、美しいとか醜いとかのレベルの話ではなく、社会的な問題を人間の内面の感性的なレベルで捉えていく、といった意味で使ってある。


ガダリの哲学は難解で、とても理解できる代物ではないが、この“エコゾフィー”で言わんとすることは、なんとなく理解できる。人間性を大事にしつつも、自然とともに生きようじゃないか、と言っているのだろう。

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