釈迦

お釈迦様の言葉は、いろいろな経典の中にある。例えば、釈迦の臨終の様子を記した『涅槃蹻』では、こうある。

　　諸行無常

　　是生滅法

　　生滅滅已

　　寂滅爲樂

これを空海は次のように訳した（本当かな？）。

　　いろはにほへどちりぬるを

　　わがよたれぞつねならむ　

　　うゐのおくやまけふこえて

　　あさきゆめみじゑひもせず　　

また、白幽子が愛読した『金剛般若経』は、比較的短い経典で、釈迦の説いた「空」の思想が簡潔に語られている。要点をまとめると、以下のようになる。禅問答みたいだが、求道者やすぐれた人は一切の思いを遠く離れている、ということだろう。

・自我という思いは起こらない

・生存するという思いは起こらない

・個体という思いは起こらない

・個人という思いは起こらない

・ものという思いは起こらない

・ものではないという思いは起こらない

・思うということは起こらない

・思わないということは起こらない