神農
- yokando2
- 2023年9月24日
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中国の歴史は、甲骨文字に記載のある夏、殷に始まるが、その前には三皇(伏羲・女媧・神農)、五帝(黄帝・顓頊・嚳・堯・舜)という伝説の時代があった。この伝説の三皇のひとりである神農は医薬を司る神として大阪道修町の少彦名神社に祭られているが、この神農さんを冠した中国の書物に「神農本草経」という生薬の古典がある。これは生薬の作用について述べた本で、後漢の末ごろまでには完成していたようである。この本では生薬を上・中・下の三品に分け、上薬は寿命を養い、中薬は生命を養い、下薬は病気を治す働きがあるとされている。
たとえば、上薬の「朮(おけら)」については、次のように記載されている。京都八坂神社の年越しの風物詩「おけら詣り」で、多くの参拝者が灯籠の火を縄に移して持ち帰って新年を祈う、あの「おけら」である。
「朮。味は苦、温である。主に悪寒・痺れ・麻痺・ひきつれ・腫れ物に効き、汗をとめ、熱をとり、食物を消化する。煮て食べる。長く服用すれば、体が軽くなり、長生きし、飢えたりしない。別名はサンケイ。山や谷間に生える。」
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