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心敬

  • yokando2
  • 2023年11月6日
  • 読了時間: 1分

「大やうの人の心得たるは、姿の優(やさ)ばみたる也。心の艶(えん)なるには入りがたき道なり。人も姿をかいつくろへるは諸人のこと也。心ををさむるは一人なるべし。」


心敬(1406-1475年)は室町時代の天台宗の僧で連歌師である。上は彼の歌論「さざめこと」の一節である。彼の理想とする幽玄体の歌には「心の艶」がなければならない、としている。「心言葉少なく寒くやせたる句」がよろしい、として、以下のような歌を秀句として挙げている。


-見るままに山嵐あらく時雨めり都も今や夜寒ならん(後鳥羽院)


-桐の葉もふみ分けがたく成にけりかならず人を待となけれど(式子内親王)


-思ふ事など問人のなかるらん見ざりし雲の夕暮れの空(慈鎮)


-あさぢふや袖に杓にし秋の霜忘れぬ夢を吹く嵐かな(通光)


-しめをきて今はと思ふ秋山のよもぎが本に松虫の鳴く(俊成)


-年もへぬ祈る契ははつせ山尾上の鐘のよその夕暮(定家)


-年たけて又こゆべしと思ひきや命なりけりさよの中山(西行)

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